11.25.00:30
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04.09.00:00
くれいジィ
お前がジジイになった時
孫に何を語れるか
想像してみろ
「大学を留年した話」
理由もなく留年をした話
サークルに燃えすぎて留年したバカ話
どっちが面白い?
「気になる子がいた話」
何もせず何も起こらなかった話
声をかけて公衆の面前でフラれた話
どっちが面白い?
「何もしなかった話」が一番退屈じゃないか
「夢の話」
苦しくて夢をあきらめた話
苦しくても夢を追い続けた話
どっちも面白いだろ?
「何かをした話」をできるように
孫「俺のじいちゃん面白かったんだぜ!」
くれいジィになろうぜ
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04.08.00:00
春を待つように
僕はキリンの首になって
春を待つように あなたを待った
初めて降り立つ街は 着替えたように暖かい空気で
駅前にある木目調の古い喫茶店からは
焼いたパンの香りとコーヒーを挽く音がした
新聞を広げながらカプチーノ
知らない人が窓際で朝を始めている
信号待ちの横断歩道では
真新しいスーツや少し大きめの制服が
緊張でシワも作れずにシャンと並んで
まるでマラソン大会前のスタート地点のようだった
春は新しく人々の足並みを揃え
スタート地点に並ぶ僕たちは
この道のどこかで出会うであろう
未来の友だち 未来の恋人 未来の自分を
不安と期待で信号のようにかわりばんこに想った
今日を越えたどこかで
あなたに出会えるだろうか
青に変わると
合図のように桜が舞い
合わせたように 黄色いランドセルが揺れてゆく
何もないところで全力疾走
怖いもの知らずと勇気の違いが
まだ子どもたちの間では区別がない
一方スーツを着た大人たちは
かなりの速さで歩くものの
決して全力で走ることはなかった
戦いが今日だけでなく
この先もずっと続くことをもう知っているからだ
今日を越えたどこかで
あなたに出会えるだろうか
僕はキリンの首になって
春を待つように あなたを待った
04.07.00:00
投影図
その建物は空から眺めていると
丸い形をしていて
僕は円柱のようなビルを想像していました
でも
いざ地上に下りて正面に立ってみると
三角の形をしていて
円錐のようなビルだったのです
僕は戸惑いながらも
入口の警備の人に会釈をして
鋭い自動ドアに吸い込まれていきました
中に入ってもっと驚いたことは
そのビルは階段もエレベーターも何もなくて
てっぺんまで何もない
ただの吹き抜けの伽藍堂だったのです
呆然と立ち尽くしていると
先ほどの警備員が
ただっ広いフロアーの真ん中を指さしました
そこには螺旋階段が下に続いていました
なんと この建物は地下に伸びていたのです
僕は外からじゃ見ることができない
この建物の本当の姿を
これから目にすることになるかと思うと
ドキドキしていました
なんの話かって?
人の話さ
04.06.00:00
大切なものは目に見えない
大切なものは目に見えない
誰にも見えない「未来」を
思うように描いてみただけさ
僕が描いた絵 「夢」という絵
誰にも見えない「空気」を
場に合わせて読んできただけさ
僕が読んだ本 「嘘」という本
誰にも見えない「気持ち」を
拳を握るように込めてみただけさ
僕が込めたもの 君にはわかる?
大切なものは目に見えない
目に見えないから感じるしかない