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The Ropes~平成の常盤荘~代表三輪亮介のブログです。 ここでは日常で切り取った一枚の写真をもとに 日々の想いなどをつづりたいと思います。
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05.15.08:52

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  • 05/15/08:52

04.14.00:00

4月生まれと3月生まれ

4月生まれの君の背中は眩しくて

3月生まれの僕はいつも影みたいにくっついていた


 
通学路を外れるのが好きで

大きなランドセル揺らして

振り回す木の棒 蹴飛ばす石ころ

最後はいつもの公園 
そこが僕らのすべてだった
 


僕の初めてはいつも君と

部屋の中じゃ聴こえなかった虫たちの声が

季節の中に響き渡ってゆく
 


僕らが呼んでいた 神様の木

君は慣れた手つきで登るのが上手で

初めて登った僕はやっぱりヘタクソで

降りられなくなってシクシク泣いてしまった 



世界で戦う君の背中は逞しくて

僕はささやかなペンだこに静かに誓いを立てた
 


誰も知らない苦しみ

ベンチの下に灰を落としてゆく

すれ違いながら入れ替わりながら座っていたこと

最後はいつもの公園 僕も君も知っていた
 


大切なことはすべて君と

どこかで一人になっても一人じゃないこと

描いたイメージをはみ出したっていいんだよ
 


僕らが作り上げた 昆虫マップ

湿った雑木林の堆肥をかき分けた

見つけたものはなんだっけ

ミーンミンミン 君のことしか思い出せない
 


 
気づくと大人になっていたように

気づくと戻れなくなっている



宛先不明の葉書のように
 
何度出してもどこにも届かなくて

どこにも行けない気持ちがここにある
 


握りしめたままいくつも朝を迎えて

どこにも行けない気持ちは

どこにも行っては行けない気持ちなのだと気づく



ゼロにしてやり直すのではない

すべてを背負って新しく始めればいい



4月生まれの君は新しいことを始めるのが得意で

3月生まれの僕は いつも新しく勇気を湧かす
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04.13.00:00

朝方のシャワー

朝方のシャワーは
 
頭を下げれば

昨夜の疲れを流してくれるようで
 
見上げれば

今朝の僕を新しくしてくれるようで
 



僕は視覚を閉じて 何かを開く
 



僕の頭は

誰かに洗ってもらった方が 気持ちがよくて

どんなに真似てみても うまくいかなかった
 



一人じゃ感じられないものが

こんなところにある
 



きっとあれもこれもそうだ

04.12.00:00

幸せのレシピ

今も昔も 僕らは地球の鍋で

作り方がわからない料理を試している


 

道路を走る車は未来の形になったかな

電車の車窓に映る表情は

昔の人が願ったように柔らかいかな



 
パラパラパラパラ 今日もどこかで

「幸せのレシピ」をめくる音



 
あの頃の君は まだ生えたばかりの羽を

必死にはためかせて

僕が行き先を尋ねると 答える間も惜しむように

白くまだ軟らかい羽を激しくはためかせた



 
僕は夏のカーテンのように君にめくられて

誰かの昼寝をそよいだ
 
 


6畳半に灯ったオレンジの光

折りたたみテーブルにかじりついたカブトムシ

完成した頭のイメージを スケッチブックに描いては

零してしまった微笑みを 慌てて拭いて

明日に向かって飛んでゆく
 



僕は夏のひまわりのように君に揺られて

誰かの瞳で思い出になった
 




6
時半に灯ったオレンジの光

メタリックキッチンに向かうコックコート

何度も鍋をかき回しては 何度も焦がしてしまう

溢してしまった悔しさを 慌てて拭いて

明日に向かって飛んでゆく



 
僕は夏の風鈴のように君に鳴らされて

誰かの耳で歌になった
 
 


明日のどこかで風がめくる 幸せのレシピ
 

パラパラじゃなくてバサバサと鳴る

04.11.00:00

はなむけの言葉



まるで、ゴール前で最後のパスを

チームメイトに送るサッカー選手のように、

絶対的な信頼を寄せる音で彼を呼んでいる。

その音は、共に乗り越えてきた、

たくさんの光景で鳴らされている。



いくつの朝を一緒に迎えたか、もう数えられない。

ひとつひとつ、本気だった。

みんな、泣いた。



愛されたいと望むなら、

まずは自分が人を愛すことだ。

裸になってほしいと望むなら、

まずは自分が服を脱ぐことだ。

信頼してほしいなら、

まずは自分が人を信じることだ。



愛してフラれることも、裸を笑われることも、

人を信じすぎて損をすることも多かっただろう。

それでも俺たちは、

「人を愛す人であろう」

と思ったはずだ。



今、惜別の言葉はない。

俺たちは、大切なことのほとんどを、

言葉にして届け合ってきたからだ。

そして、言葉を言葉で終わらせずに、

体験を通して刻んできた。

それが、「時間」というものだ。



さよならじゃない。

このさざ波のような一瞬を、みんなといれる一瞬を、

輝かせてくれた感謝しかない。



愛してくれてありがとう。


愛してくれてありがとう。

04.10.00:00

12歳の恋

絵に描いたような桜舞う入学式

僕は体育館で 不安と期待の空気を吸う


 
背が低い僕には 見えづらいものばかり

肩と肩の間から かかとを上げた景色が残る


 
いつも廊下に響き渡る大きな声

ショートで元気で色黒で みんなのチャイム


 
君はその昔フランスを救った少女のように

誰よりも可憐で 誰よりも一途で

多くの僕たちを救った

汗を掻くことを厭わず

人のために怒り 人のために涙する人
 



君が雨に濡れているときは

いつも誰かが隣で傘を開いた

僕は傘で顔を隠したまま 一人そこを通り過ぎた
 


恋は夏の日差しに焦がされて

何度日焼け止めを塗っても焼けてしまって

塗り忘れた首の後ろが痛くて 赤くなってヒリヒリして

やがて恋は放課後になって 影しか見えなくなって

最後は僕も夕日も途方に暮れてしまった
 


よくイヤホンをして 聴いていた歌

君の日々に まだその歌は流れているだろうか

長くなった髪は キッチンでポップに揺れているかな


 
あの頃 何度も ひとり唱えた魔法

眠れない夜に 祈るように唱えた魔法

もしも今日 空が晴れているのなら

僕の魔法は ちゃんと効いていたみたい