11.24.19:25
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04.19.00:00
僕の探しもの
何かを強く願っているのに
何を願っているのか 僕にはわからない
空腹で何かを食べたいのに
何を食べたいのか 僕にはわからない
母に行く先を尋ねられても
うまく答えられなかった夏休みの昼下がり
ただ自転車を走らせた 目的のない旅
小さな僕が探していたものは
きっと見つけたときにわかるもの
まだ僕には見たことのないものが多すぎて
世界はきっと僕の知らないことで溢れている
だからきっと探しものなんてわからない
見つけたときにわかるのだ
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04.18.00:00
端数
僕は自分の気持ちを四捨五入するのが苦手で
端数ばかりが無理数みたいに続いてしまう
いったいどこで繰り上げればいいのか
繰り上げてもいいのかもわからない
悲しみと呼ぶには痛みがたりなくて
幸せと呼ぶには笑顔がたりないような気がする
直感的に誰しもが誰しもの感覚で
名前を付けているようなのだ
認識しやすいように
大雑把に概数として呼んでいる
ただ僕は
君が切り捨てた端数にこそ興味があるのだ
04.17.00:00
笑ってくれたら
笑ってくれたらうれしい
とてもシンプルなこと
面白い話なんか持っていない
ただ君の話に耳を傾けるだけ
大きく頷き 何度も頷き
生まれたばかりの君の言葉を身体に染み込ませて
わかりたくて わかりたくて
一緒に喜びたくて 一緒に悔しがりたくて
必死に君の言葉に呼応する
今日の終わりに笑ってバイバイしてくれたら
満足
04.16.00:00
許せないもの
自分なりの「こだわり」ってある
例えば恋人にするなら
タバコを吸っていない人がいい
博打をしない人がいい
犬好きじゃない人がいい
「こだわり」とは「許せないもの」でもある
タバコを吸う人が許せない
博打をする人が許せない
犬好きな人が許せないのだ
人は人を許せない生き物
だからこの世から戦争はなくならない
だがしかし 悪を許す必要などあるのだろうか
だがしかし そもそも僕が思っている悪は悪なのか
許す価値があるものなのか
許さない価値があるものなのか
いつもジレンマ
04.15.00:00
夜明け
夜から朝に変わるそのひと時を
僕はとても愛しく思う
誰もいない真っ暗な土手を走ると
世界を独り占めしているみたいで
気持ちがいい
同じことを考えている人が何人もいるみたい
すれ違いながら どこかでシンパシー
人はきっと一人になれないようにできている
一人じゃ光ることのできない月はいつも
一人で輝く必要はないことを教えている
もうすぐ夜明け
夜は力を抜くように明度を上げて
空は紫立って青みがかって白々と明けてゆく
夜明けは世界が白と黒だけでなくいつも
その間の中間色があることを教えている
大きな沼が 逆さの空を作ってゆく
水面を飛ぶ鳥は 空を泳ぎ
キラキラは乱反射して キラキラキラキラ
僕は水平線を真似て両手を広げ
何かを掴むようにグッと拳を握った
あと何度こんな気持ちで
この美しい夜明けを抱きしめられるだろう
大きく息を吸った