11.23.02:20
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04.10.00:00
12歳の恋
絵に描いたような桜舞う入学式
僕は体育館で 不安と期待の空気を吸う
背が低い僕には 見えづらいものばかり
肩と肩の間から かかとを上げた景色が残る
いつも廊下に響き渡る大きな声
ショートで元気で色黒で みんなのチャイム
君はその昔フランスを救った少女のように
誰よりも可憐で 誰よりも一途で
多くの僕たちを救った
汗を掻くことを厭わず
人のために怒り 人のために涙する人
君が雨に濡れているときは
いつも誰かが隣で傘を開いた
僕は傘で顔を隠したまま 一人そこを通り過ぎた
僕は傘で顔を隠したまま 一人そこを通り過ぎた
恋は夏の日差しに焦がされて
何度日焼け止めを塗っても焼けてしまって
塗り忘れた首の後ろが痛くて 赤くなってヒリヒリして
やがて恋は放課後になって 影しか見えなくなって
最後は僕も夕日も途方に暮れてしまった
よくイヤホンをして 聴いていた歌
君の日々に まだその歌は流れているだろうか
長くなった髪は キッチンでポップに揺れているかな
あの頃 何度も ひとり唱えた魔法
眠れない夜に 祈るように唱えた魔法
もしも今日 空が晴れているのなら
僕の魔法は ちゃんと効いていたみたい
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