11.24.11:51
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03.29.00:34
赤青えんぴつ
僕らは 赤青えんぴつだった
彼女は赤えんぴつのように忙しくて
誰かの答えに頷いたり首を振ったり
助言は相手の答えの邪魔にならないように
そっと右側に添えてやったり
実にたくさんの人から彼女は愛されていた
僕は青えんぴつのように出番が少なくて
賑やかな声の隙間に
静かに相槌を打つことしかできなかった
静かに相槌を打つことしかできなかった
僕の先は丸くなったまま 誰も削ってくれなくて
いつも申し訳なく太い円を描いた
最後は僕だけが残ってしまってね
君がいなきゃ相槌を打つこともできなくて
いつのまにか筆箱から出されることも少なくなって
気がついたら
職員室前の忘れ物箱が僕の住処になっていたよ
職員室前の忘れ物箱が僕の住処になっていたよ
今は僕らの代わりに
3色ボールペンって奴らが幅を利かせているらしい
そんな時代さ
君は君の時代を生き
僕は僕の時代を生ききれなかった
僕は僕の時代を生ききれなかった
日々短くなっていく君は 運命を生きるように
健気で孤高で刹那的で
とても美しかった
「傷つくこと」は恐ろしいことだろうか
でも本当に恐ろしいのは「何もしないこと」だ
「転ぶこと」ではない
「置いて行かれる」ことだ
「置いて行かれる」ことだ
誰も削ってくれないのであれば
自分で削ってやればいい
共に呼吸をするのは ほんの一瞬の間
今度こそ
本気で誰かを愛すように
自分の足で時代を踏みしめたい
今度こそ
僕は僕の時代を生きよう
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