11.24.14:33
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03.30.00:06
in my pocket
君はなにかを探すように
僕のポケットに手を入れて
不意になにかを見つけたように
あたたかいねと笑う
僕らは川の向こうの 白んだ空を見つめながら
もう長いこと運転を見合わせている春を
河原のホームでじっと待っていた
河原のホームでじっと待っていた
君はすぐに迷子になる子どものように
僕の手をすぐに離してしまって
誰も知らない場所で怯えるように
よく泣いていた
僕らが思うよりもこの世界は広すぎて
一度はぐれてしまった恋は
もうこの河原じゃ見つからなかった
もうこの河原じゃ見つからなかった
僕らは時計の長針と短針のように
いつもセットで歩んできたけど
君が本当に望むときに
僕は君に重なり合うことができていただろうか
僕は君に重なり合うことができていただろうか
0時の鐘の音を鳴らすことができていただろうか
3時をすぎても 眠れない夜は
どこからが「おはよう」なのだろうと考えてしまう
ベッドに張り付いた僕の顔は画面に照らされたまま
そのまま朝の光に紛れていく
少し早起きになったお日様を カーテンの隙間から覗く
遅刻してきた春が 何事もなかったかのように
堂々と河原のホームに到着をしたらしい
堂々と河原のホームに到着をしたらしい
桜の花びら達は僕の手から逃れるように地面に舞い落ち
僕の足元で戯れるように風と踊った
肌寒さから 不意にポケットに手を入れると
乱雑に折りたたまれた硬い銀紙が手に当たった
いつのものともわからないそれを
空にかざして眺めてみる
古びた紙っはしが世界の片隅で光った
君の探し物は見つかっただろうか
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