11.23.14:30
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07.16.14:39
飛ぶ教室★★★
どうして大人は子ども時代のことを
すっかり忘れてしまうのだろう
子どもというものは時にひどく悲しく
不幸になってしまうということを
決して忘れてほしくない
エーリヒ・ケストナー
個人的にこういったテーマの映画には目がない。
子どもを通して、大人の自分を振り返る。
観たあとに何とも優しい気持ちになれる。
舞台はライプチヒ。
過去6回も寄宿学校を逃げ出したヨナタンは、少年合唱団で有名な学校の寄宿舎に入ることになる。
映画自体ではヨナタンの心の闇がどこにあるのかは明らかにはされていないが、ルームメイト達と意気投合し、大人と友情を築き、最後は心に希望が灯される。
面白かったのはルームメイト達との友情を深めて行くプロセス。
学校の生徒は「寄宿組」と「通学組」とに大きく分かれる。
「寄宿組」は親がお金持ちの子が多いが、その実、愛情に飢えている。
一方の「通学組」は親と一緒に暮らしてはいるものの、やはり愛情に飢えている。
この2つの勢力の争いで、物語序盤は「寄宿組」の結束が固くなってゆく。
後半は「大人達(先生)」とのかかわりが強くなってゆく。
ヨナタン達は秘密の隠れ家で「飛ぶ教室」と書かれた古い芝居の台本を手に入れる。
クリスマスの劇発表で上演しようとしていたところ、信頼を寄せていたベク先生に猛反対を喰らう。
そこにはかつてベルリンの壁の向う側にいってしまった親友との深い想い出があったのだ。
クライマックスでは、「寄宿組」「通学組」が力を合わせ、大人達に一矢を報いる。
この部分がファミリー向けに観れるひとつのエレメントになっていると思う。
原作を読んでいないので、なんともいえないけど、各キャラはとても魅力的な一方、バックボーンが描き切れていない印象。主人公のヨナタンに関しても「孤児で、養父が船長だからなかなか会えなくて淋しい」といった情報だけで、最初と最後で何がどのように成長したかは明確ではない。
ルームメイトの友情物語を丁寧に描きすぎたのか、後半キーマンとなる先生とその親友の明かされる真実にそこまで胸が高鳴らない。できれば、前半部分で先生の過去に対する複雑な想いを入れてほしかったところ。
ということで★勝手に3つ!
この物語の原作はエーリヒ・ケストナーの、ドイツを代表する児童文学の名作小説…らしい。
…ので、現代版にアレンジするにあたっての妥協点などがあったのかもしれない。
でも、個人的にはこういう子どもたちが活躍する映画は好きです。
あと、音楽もとてもいいので、金曜の夜とかに見ることをオススメします。
きっといい気持ちで寝れる!
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