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The Ropes~平成の常盤荘~代表三輪亮介のブログです。 ここでは日常で切り取った一枚の写真をもとに 日々の想いなどをつづりたいと思います。
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  • 11/22/20:45

10.24.08:23

Heart's Knock①

「記憶」と「思い出」の違い

「思い出と記憶って、どこが違うか知っている?」
犀川は煙草を消しながら言った。
「思い出は良いことばかり、記憶は嫌なことばかりだわ」
「そんなことはないよ。嫌な思い出も、楽しい記憶もある」
「じゃあ、何です?」
「思い出は全部記憶しているけどね、記憶は全部は思い出せないんだ」

―森博嗣『すべてがFになる』より―
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赤の章への構想


じゃあ、僕らの中に残る「思い出」とはどういうものなんだろう。
どうしたって忘れてしまうもの。大切にしていても、やがて消えてしまうもの。時間が運んで行くもの、時間が運べないもの。僕らが繋いでいくもの。繋がなくてはいけないもの…。あの人への想い。あの人との想い出…。

小学校時代からの僕の記憶をモチーフにして描き進めている「いつか僕らがグレーになる頃に」。青の章『BLUE・BLUE・BLUE』、黄の章『ひまわり』、そして赤の章の構想はここから始まりました。赤の章では、美幸が死んだ1年後、直樹、大輔、純司が22歳になったときの世界。美幸の死から立ち直れない大輔。その再生の日々を追う予定です。
第一稿ネームは既に執筆済みですが、これから大幅な修正をしていくため、本格的な制作はまだ先になる見通しです。
今回は一気に主人公達が大人になったということもあり、台詞やト書きに無理なく気持ちが乗った実感があります。それに加えて、最近の僕の収穫は小説家・森博嗣さんの言葉達との出会いでしょう。今まで言葉にできなったものが、彼の小説の中でたくさん発見できた気がします。今度はそれをただトレースするのではなく、僕の言葉で、想いで、マンガに表現したいと思っています。
 
―別れ―
 
人間は思い出して、悲しくなるんだ。
ゆっくり思い出して、そして……、
何かと比較して、悲しくなるんだ。
そんな余裕がないときには、悲しくなんてならない。

人にはいつも、選択に充分な時間が与えられることはない。

もう二度と会えない人、もう二度と立ち寄らない場所、もう二度と触れないもの、もう二度と聴けない音楽。
人生は、常にそんな別れの連続ですね。
幼い頃は、別れの意味がわからなかったし、未来の予測ができないわけですから、悲しくもない。
逆に歳を重ねれば、人は別れに慣れ、
また、自分の老いさきが短いという覚悟もできて、不思議に平常のものとなります。
ですから、その途中の世代だけが、別れを悲しむのです。

―森博嗣『女王の百年密室』より―

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