11.25.09:03
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11.11.00:44
青リンゴ
いつも結論ばかりを振りかざして
足りないものを並べて怒っている
あのときの私は 彼の言葉がすべてだった
彼がいう愛 私が思う愛
色が違いすぎてとても同じものとは思えなかった
赤リンゴと青リンゴのよう
甘いようでいて とてつもなく酸っぱい
「抱きしめる」と書くと温かいが
「抱き締める」と書くと怖さがある
「想い」には空を飛んで行く自由があるが
「重い」には鎖に繋がれた鉄球の束縛がある
彼はよく「信じていたのに裏切られた」
と言っていたけれど
と言っていたけれど
そんなことを言ったら
子ども達はどこに夢を書けばいいのだろう
恋人達の「ずっと一緒にいよう」は
きっと約束だったとしても約束ではなく
それは「願い」だ
言ったことを実行できなかったら罪だろうか
人も 言葉も 夢も 想いも 時代も 変わる
変わっていい
誰が責めることができるだろう
変わることを責められて
変わって行く自分を責めながら生きることは
とても苦しい
「今この瞬間に感じる想いを
言葉にすることを怖がってはダメだ」
言葉にすることを怖がってはダメだ」
そう思えるようになったのは
彼と別れてずいぶん経ってからのことだった
「愛」という言葉は 力強くて ズルい
チャンスを与え やり直し
もう一度信じてみたくなる
「愛」とは「支配」ではないのに
そんなのわかりきっていることなのに
私は彼に抱き締められながら
星を滲ませながら 頷きながら
「もう一度」を与えてしまうのだ
あのときの私は彼の言う「愛」という言葉が
いつかは赤くなることを
バカみたいに祈ってしまうのだった
永遠を歌うにはあまりに早すぎる
時を待てずに刈り取られた
かわいそうな青リンゴ
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