11.22.20:06
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08.15.23:26
風立ちぬ★★★★☆
金曜ロードショーのジブリ特集を見て、無性に胸踊らされ、公開初日に観に行ってしまった。何より、宮崎駿監督が今何を描くのかが、僕にとってとても興味のあることだった。
描きたかったのは何か
物語の舞台は、戦争による経済不況、関東大震災など、現在の東日本大震災後の日本と同じような、激流の時代の中に設定されているけれど、この映画はその凄惨さや、悲惨さを描いてはいない。なぜか。
それは、この物語が「主人公の眼から」映し出されているからだ。
あのような困難な時代でも、純粋で、夢を持ち、恋をし、生きることにひたむきであった男がいたということ。その男の眼から見る世界は、決して絶望の色では染まっていなかったということ。この一人の男の生き方こそが、宮崎駿監督が伝えたかったものではないだろうか。
この作品は、今の僕らに「生きる」という命題を、とても静かに提示してくれている。そして、この時代に生きる僕らに、一抹の勇気を灯そうとしたのだと思う。
どの時代でも、意志を持って生きている人がいる。あの時代でも、この時代でも。
たどり着いたのは「愛」だった
何よりも僕が個人的に感銘を受けたのは、70を過ぎた宮崎監督が、今描いたものが、「愛」だったということ。年をとると、愛を語るのに慎重になる。物語を書く人であれば、誰しもそうなる。
けど、この作品は、「愛を描こう」という力の入れ方ではなく、人の生きる時間の中にそっと「愛を添えている」。物語の中に当たり前に愛があり、それを力強く見つめている。
それは、70を過ぎた宮崎監督の目から見た愛であり、僕らがいつかたどり着くであろうと予感させる、とても確かな愛だと思うのだ。
他にも、2人のただただ歩くシーンに情緒を感じたり、女性客の共感の前に立ち塞がる壁とか、地震のアニメーションとか、色々感じるものはあったけど、総じて言えば、圧巻!・・・違うな。秀逸!・・・違うな。
終幕のあと、幾許かの沈黙のあと、静かに拍手を送りたくなるような、そんな映画!
これだっ!!
ってか、もう、余っ裕の映画なんです!
是非、劇場でご覧ください♪
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