11.23.07:17
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12.17.10:26
Heart's Knock②
下描き完了
4部作として構想している「いつか僕らがグレーになる頃に」。その第3弾・赤の章『Heart's Knock』の下描きが、昨夜完成しました。今日からペン入れです。前作、黄の章『ひまわり』が受賞した関係で、今回は担当編集者の方に見て頂きながら進めてきました。ネームの段階で、没&リテイク…本編36ページのところ、70ページ以上は描いたんじゃないかなぁ(^_^;)苦労した分、愛着ある作品になりそうです。
―等身大の言葉
赤の章では、登場人物の年齢がぐっと上がります。主人公の大輔が22歳~25歳~28歳と変化していくし、メインキャストにおばあちゃんを置いたことで、会話が従来よりも無理なく、等身大の言葉になったような気がします。大人を主人公にした作品としては、22歳のときに描いた『はね』(2005年週刊少年マガジン奨励賞受賞)以来になります。今思えば、少年誌に投稿する内容ではなかったかもしれないですね(笑)―22歳のまま、空を歩いて行った彼女へ
テーマは、無意識に『はね』と重なった。僕が21歳のとき、小学校からの旧友が22歳のまま空に歩いて行った。それを受けて、自分なりに感じたことを形にしたかった。それが『はね』。
「どんなに現状に絶望しても、それでも生きていけるのはなぜだろう・・・」
それはきっと、大切な誰かがそばにいてくれるから。
「こいつがいれば、どんな未来だってきっと僕は生きていける―」
そんなしめくくりだった。
あれから6年が経っても、彼女のことを忘れることはない。消せない電話帳。2月になると思い出す、親友からの一本の電話。ちょうどミュージカルの舞台背景を描いていたとき。筆を持った左手が震えてた。
今でも思い出すと痛む、胸の音・・・。それがまさに、今回の『Heart's Knock』というタイトルを決めた。
記憶は薄れる、と人は言う。正確に言えば、人はすべてを記憶することはできても、思い出す作業を怠ると、徐々に引き出すことが困難になるということ。
僕には忘れたくないことがたくさんある。ノスタルジックとか、回顧的だとか言われようが、振り返らずにはいられない。いや、ちゃんと振り返りたい。現状に不満があって、あるときふと思い出して、「あの頃はよかった」というような、都合良く美化された過去じゃない(そういう時期もあったけど)。リアルタイムでそのとき、この一瞬を忘れたくない!と強く感じたもの、こと。それがたくさんある。
21歳のとき、感じられなかったものが、確かにここにある。
少しでも、想いが伝わりますように…。
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