11.22.07:32
[PR]
12.14.23:16
松たか子から目が離せない
松たか子から目が離せない。
今、劇関係者の誰もが夢中になっている女優がいる。
「松たか子」。
僕らの記憶の中だと1996年の『ロングバケーション』、1997年の『ラブジェネレーション』、そして2001年の『HERO』など…SMAP木村拓哉の共演女優としての認識が強い。
最近ではモントリオール映画祭で最優秀監督賞を受賞した『ヴィヨンの妻』が有名だ。
でも、近年の彼女の輝きはむしろ、“生”の舞台の中にこそある…と僕は思う。
2005年 読売演劇大賞にて優秀女優賞を獲得してから3年…
2008年 彼女は最優秀女優賞として一番高い台に上ることになる。
『ロマンス』作:井上ひさし 演出:蜷川幸雄(2007年)
『SISTERS』作・演出:長塚圭史(2008年)
『NODA・MAP パイパー』作・演出:野田秀樹(2009年)
『ジェーン・エア』脚本・演出:ジョン・ケアード(2009年)
僕が近年観た著名舞台が上記だ。この脚本・演出陣に驚いてほしい。
日本演劇界のトップの方々はもとより、『レ・ミゼラブル』で知られるジョン・ケアードまでが松たか子を自分の舞台の上に立たせているのだ。
これほどまで周囲を魅了して止まない
松たか子の魅力とは一体何なのであろうか。
その要因の一つに、僕は「声」を挙げたい。
舞台での松たか子の声はとても聞きやすい。
はっきり発音するし、大声を上げても声が割れるようなことはない。
しかしその一方、単調で…なんとも感情移入が十分に為されていないようにも聞こえる。
これは現代演劇から遡っているような気がする。
そう、ちょうど日本が海外演劇の背中ばかり追いかけていた1960年代の近代演劇のよう。
最初はあまり好感を持てなかったのが僕の正直な感想です。
それは『ロマンス』でも『SISTERS』でも感じた僕の違和感。
しかし、幾度か彼女の舞台を観ている内に…
とても不思議な現象に気付いたのです。
「一観客として、“松たか子の役に”感情移入しやすい」
勿論これは僕の個人的な一感想です。
松たか子の存在がどんどん遠くなって行く代わりに、透明感のある“声”の向うに僕は、もう一人…この物語の人物を感じていることに気付いたのです。
これは本当にビックリしました。
大竹しのぶも大女優でめちゃくちゃ上手いと感じるけど、やっぱり大竹しのぶなんですよね。
そして最近、WOWWOWで放送された『ジェーン・エア』を観ると、それは確信に変わりました。
彼女は、特徴的な単調な声出しではなく、きちんと感情を乗せた声で演技していたのです。
これから推察するに、彼女はやはり声に感情を乗せる場合と控える場合とで意図的に使い分けているのだと感じました。『ジェーン・エア』では日本人には馴染みのない海外の物語。
登場人物に日本人が感情移入するには少し手間取る。そこを助けるかの如く、彼女の“声”はいつもより感情が豊かに表現されていると感じました。
今はもう…ただただスゴイ女優としか言いようがないです。
30代…体力的にも経験的にも今最も脂の乗っている時期なのでしょう。
音楽家としても9枚目のアルバム『Time for music』をリリース。
全10曲中4曲は松たか子の書下ろしの新曲、5曲を英語詞カバー、残る1曲は、父である松本幸四郎さん(当時市川染五郎)の作詞・曲で1967年リリースした、大ヒット曲「野バラ咲く路」を収録。
僕のオススメは2曲目の『500Miles』作詞・曲:Hedy West
日本語歌詞は忌野清志郎です!
- トラックバックURLはこちら