11.22.14:06
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12.27.00:22
音楽映画3つを比較
音楽を題材にした3つの邦画を見比べ!
(1)『BECK』★★
堤幸彦監督作品。言わずと知れた大ヒット漫画、『BECK』の実写映画。王道の商業映画です。冴えない高校生の主人公が、魅力的なギタリストと出会い、成長していくサクセスストーリー。人気俳優をふんだんに配し、何台ものカメラで撮影、映像加工を効果的に使い、音楽と共にスタイリッシュな画面を生み出しています。堤監督のセンスは、『池袋WGP』以降、日本のメジャーシーンにおいてド真ん中に位置づけられてきました。
ただ、監督自身がテレビディレクター出身のためか、企画物の映画を撮ることが多く、監督自身が作品の起点となることが少ない。そのため、どこか映画全体から(プロモーションから映画製作に至るまで)予定調和を感じずにはいられない。
とはいえ、商業エンターテイメントに特化しているので、家族や友だち、恋人と観るには話題に事欠かない映画だと思います。
(2)『前橋ビジュアル系』★
芥川賞作家の唐十郎を父に持つ、大鶴義丹監督作品。群馬県前橋市を舞台に、ビジュアル系バンドで成功を夢見る農家の若者たちの葛藤を描いている。
低予算ながら、主人公にジャニーズの風間俊介を起用。話題づくりに一役買っている。
物語は『サイタマノラッパー』とほぼ同じ。にも関わらず、この映画がB級映画に格付けされてしまうのは、一重に脚本・演出の力不足という他ない。台詞は記号的でリアリティーがなく、カメラワークは役者の顔を追いすぎていて、空気感、抒情感が損なわれ、ロケーションも全く活かせていない。
役者の演技も頂けない。田舎者やヤンキーの「ノリ」を理解していないため、どこか嘘臭さを感じてしまう。また、前述したようにカメラが表情を追いすぎなので、物語の起伏をすべて役者の顔で説明することになってしまう。結果、役者は顔の演技を誇張することになり、こちらもまたクサイ演技に帰結してしまう。
作品で描きたいものが、「人間」ではなく「物語」に引っ張られてしまった悪い例。
『サイタマノラッパー』とのエンディングを見比べればそれはさらに浮き彫りになる。『サイタマノラッパー』は、バンドを辞めた仲間との討論が決着を迎えないままエンディングを迎えるが、本作品はバンドの解散危機、再結成、成功するまでを描き切る。つまりその分、濃度は薄くなる。『BECK』のような大ヒット漫画が原作であれば、目をつぶる部分もあるのかもしれないが、このような作品の場合、商業映画の勝負の仕方として、あまりうまい戦い方とは言えないと思った。
ばあちゃんちを前橋に持つ僕としては、とても期待して観た映画だっただけに、非常に残念でならない作品。
正直、観なくていいです。
(3)『SR サイタマノラッパー』★★★★★
入江悠監督作品。映画賞を総なめにした奇跡の低予算作品。
ほぼ無名の役者・監督で作り上げ、シリーズ3まで公開されているロングランヒット作品。物語・設定は『前橋ビジュアル系』とほぼ同じなのにも関わらず、この映画がここまで評価されている理由は、脚本・演出・カメラワーク・役者が一体となって繰り出す圧倒的なリアリティーにある。定点カメラはお手本のような使い方。空気感、情感、間、セリフ、物語の取捨選択、ヒロインの魅力の置き方、すべてが長い時間練り上げられた感がある。
埼玉という、比較的東京に近く、また、だからこそ逃げ場のない土地柄が、そのまま若者たちの抱く得体のしれない閉塞感・不安感を見事に表している。
この作品に多くの言葉はいらないと思う。あとはもう、「観てほしい」の一言だ。
(1)『BECK』★★
堤幸彦監督作品。言わずと知れた大ヒット漫画、『BECK』の実写映画。王道の商業映画です。冴えない高校生の主人公が、魅力的なギタリストと出会い、成長していくサクセスストーリー。人気俳優をふんだんに配し、何台ものカメラで撮影、映像加工を効果的に使い、音楽と共にスタイリッシュな画面を生み出しています。堤監督のセンスは、『池袋WGP』以降、日本のメジャーシーンにおいてド真ん中に位置づけられてきました。
ただ、監督自身がテレビディレクター出身のためか、企画物の映画を撮ることが多く、監督自身が作品の起点となることが少ない。そのため、どこか映画全体から(プロモーションから映画製作に至るまで)予定調和を感じずにはいられない。
とはいえ、商業エンターテイメントに特化しているので、家族や友だち、恋人と観るには話題に事欠かない映画だと思います。
(2)『前橋ビジュアル系』★
芥川賞作家の唐十郎を父に持つ、大鶴義丹監督作品。群馬県前橋市を舞台に、ビジュアル系バンドで成功を夢見る農家の若者たちの葛藤を描いている。
低予算ながら、主人公にジャニーズの風間俊介を起用。話題づくりに一役買っている。
物語は『サイタマノラッパー』とほぼ同じ。にも関わらず、この映画がB級映画に格付けされてしまうのは、一重に脚本・演出の力不足という他ない。台詞は記号的でリアリティーがなく、カメラワークは役者の顔を追いすぎていて、空気感、抒情感が損なわれ、ロケーションも全く活かせていない。
役者の演技も頂けない。田舎者やヤンキーの「ノリ」を理解していないため、どこか嘘臭さを感じてしまう。また、前述したようにカメラが表情を追いすぎなので、物語の起伏をすべて役者の顔で説明することになってしまう。結果、役者は顔の演技を誇張することになり、こちらもまたクサイ演技に帰結してしまう。
作品で描きたいものが、「人間」ではなく「物語」に引っ張られてしまった悪い例。
『サイタマノラッパー』とのエンディングを見比べればそれはさらに浮き彫りになる。『サイタマノラッパー』は、バンドを辞めた仲間との討論が決着を迎えないままエンディングを迎えるが、本作品はバンドの解散危機、再結成、成功するまでを描き切る。つまりその分、濃度は薄くなる。『BECK』のような大ヒット漫画が原作であれば、目をつぶる部分もあるのかもしれないが、このような作品の場合、商業映画の勝負の仕方として、あまりうまい戦い方とは言えないと思った。
ばあちゃんちを前橋に持つ僕としては、とても期待して観た映画だっただけに、非常に残念でならない作品。
正直、観なくていいです。
(3)『SR サイタマノラッパー』★★★★★
入江悠監督作品。映画賞を総なめにした奇跡の低予算作品。
ほぼ無名の役者・監督で作り上げ、シリーズ3まで公開されているロングランヒット作品。物語・設定は『前橋ビジュアル系』とほぼ同じなのにも関わらず、この映画がここまで評価されている理由は、脚本・演出・カメラワーク・役者が一体となって繰り出す圧倒的なリアリティーにある。定点カメラはお手本のような使い方。空気感、情感、間、セリフ、物語の取捨選択、ヒロインの魅力の置き方、すべてが長い時間練り上げられた感がある。
埼玉という、比較的東京に近く、また、だからこそ逃げ場のない土地柄が、そのまま若者たちの抱く得体のしれない閉塞感・不安感を見事に表している。
この作品に多くの言葉はいらないと思う。あとはもう、「観てほしい」の一言だ。
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フライングあけおめ!!
多分回線込むから先に…
2013年も宜しく!
前にも言ったけどサンシャインが1/31で終わり。
次悩み中…。まあ、楽しく生きたいからガンガルよ!
鈴木さんの事何か進展あった?
繋がりないからわからんけど
来年も宜しく!!
こちらこそ、よろしく!
amakuniへ
あけおめ!!鈴木さん、大丈夫かな…。
俺も今年は勝負の年だわ~。マジで頑張るわ。マジで。
サンシャインも閉鎖か~、寂しいな。。。
ま、年も明けたことだし、近々会おう!
あけおめ!!鈴木さん、大丈夫かな…。
俺も今年は勝負の年だわ~。マジで頑張るわ。マジで。
サンシャインも閉鎖か~、寂しいな。。。
ま、年も明けたことだし、近々会おう!
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