08.10.01:12
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01.31.22:18
桜桃(さくらんぼ)③
31日付でCOMITIA91に出す『桜桃(さくらんぼ)』の一応の制作が終わりました。制作期間丸21日間!短かった!しかし長かった!
さて、今回はこの作品のテーマについてお話させてください。
テーマがない!?
今回の作品の特徴は「わかりやすい」ことです。
『Marie』『逆光』に比べて非常にわかりやすいストーリー構成になっていると思います。その点で「マンガマンガしている」作品です。
今まで僕の作品を手にとってくださった方々は、僕の作品を「かなりメッセージ性の強い作品」と認識しているのではないかと思います。もちろん、それを気に入ってくださった方もいたわけですが、今回は商業誌を意識していることもあって、そういった個人的なメッセージというのは極力省いています。よって、台詞のほとんどが僕の言葉ではなく、あくまで登場人物たちの肉声に絞っています。
そういった意味では、新しいメッセージ・想い・考えというのは今回の作品では特にないのかもしれません。
「希望」
とはいえ、最近の僕は「希望」という言葉にとりつかれているような気がします。『Marie』に出て来る「希望の家」、『逆光』に出て来る「希望の丘」、そして今回の作品の中にも「希望の丘」が出てきます。
別に意識していたわけではなくて、気が付いたら「あ、こんなに希望って言葉を使ってたんだなぁ」って感じ。なんだろう・・・こう考えると僕が絶望の淵にいるみたいで嫌ですね(笑)
ただ、前作まではこの「希望の家」、「希望の丘」を写真を使って処理をしていたものを、今回は僕の手描きになっています。これは、より僕のイメージを具現化することにこだわったからです。つまり、前回までただの「背景」だった場所が、今回は非常に大切な「舞台」になる。それを表現するには日常のリアルではなく、物語のリアルを追求する必要があったというわけです。ん~・・・説明すると難しいですね。下は実際の原稿です。
本作品は前作『逆光』で出てきた清司くんと猫との出会いを綴ったサイドストーリーになっています。僕も当初、そのつもりで描き始めました。
しかし、実際筆を進めていくと、物語を作っていくと…
サイドストーリーという言葉なんて存在しないことに気づいたんです。
僕らが生きているこの世界でサブキャラなんて存在しないし、どんな人間でも主人公としてドラマを持っているんだなぁって思います。
確かに、「サイドストーリー」って言葉自体は作品の概要などをPRするときに非常に便利な言葉ではあるんだけれども、実際は「リンクしている」ってだけで、「サイド」ではない。
描いていて苦しかった作品ですが、その分、愛情も深かったりします。是非、今までとは違う僕の作品を手にとってご覧頂ければと思います。
次回はこの新作『桜桃(さくらんぼ)』を収録した『The Ropes~平成の常盤荘~Vol.3』発売のご案内とさせていただきます。
さぁ~て、寝よ、寝よ!
01.27.18:01
Thank you 4 岩名中学校!
※職業座談会とは…様々な職業の方々と中学生が直接かかわることによって、職業理解、延いては自分の将来像を描く手助けになることを目的としたもの。僕(漫画家)のほかにも画家、保育士、薬剤師、税理士、福祉関係など実に様々な方がお見えになっていました。
授業を受けてくれたみんな、ありがとう!
「漫画家の仕事内容」について少しでも理解が深まってくれたら、幸いです。
質問できなかったことや、新たに聴きたくなったこと、感想などあったら書き込んでください。
メールでもOKです。
メールアドレス the_ropes2011@yahoo.co.jp
あと…「Why&Over There」
難しかったかな?
ひとつでも僕の言葉で少しでも「心が動いた」なら、僕はとてもうれしいです。
なにか素敵なこと・辛いこと・ムカつくことなど見つけたら、気兼ねなく知らせてください。
ではでは、今日はありがとう~!
絵描いてあげられなかった人、ごめんね~m(__)m
01.22.00:57
桜桃(さくらんぼ)②
The Ropesのメンバーの中では、僕は比較的ペン入れ作業は速い方です。下書きをかなりしっかり描くからです。
ペン入れ段階で、キャラのポーズや背景のパースなど、他のことを考えたくないんです。できるだけ、「線」に集中したい。
律動感
下書きをはっきり描いたからといって、「ペン入れ」はただなぞる作業ではありません。線の太さ・細さ、入り・抜きによって、絵に「律動感」が出てくるんです。
これは絵画やデッサンとかやっている方なら意識が高いのではないでしょうか。
今回は、前回課題で挙がった「もっと絵で見せる」ということを意識しているので、僕はGペン(力の入れ具合で線の太さが大幅に変わる多くの漫画家の愛用品)の走り具合に、神経を集中しているのです。
写真の絵を見てもらうと分かる通り、この原稿はこのGペンのみで描かれています(写真クリックで拡大します)。
とはいえ、理想形はそんな張りつめないでパッパとやれるのがいいのですが…。
マンガマンガとは…
前回の記事で、「今回、マンガマンガを目指すため、背景もほぼ手書きに戻しました」と書きましたが、語弊があっては困るので、この「マンガマンガ」いう言葉について、自分の考えを少し書かせてください。
「マンガマンガ」とは・・・決して「アナログ>デジタル」ということではありません。
(1)物語のわかりやすさ(映画・ドラマ・小説よりも遥かに漫画の読者層は幅広いため)
(2)画面の見やすさ(特に人物の表情がダイレクトに伝わる表現)
主にこの2点を含有しているマンガを「マンガマンガ」しているものだと大雑把に理解しています。
この2点…
僕は前の2作で完全にできていませんでした。
物語のわかりやすさに関してはネーム段階での話なので、現在は特にこの2点目について意識して描いています。
なぜ背景を手書きに戻す必要があったのか・・・
背景を写真を使って描いていくと、「写真ありき」で人物を描くはめになる。
そうなれば当然、人物のポーズは限られてきてしまう…。
もっと人物に律動感を出すためには「人物ありき」で構図、ポーズを取らなくてはいけない。
手書きのいいところは、普段見えている風景を消失点を自分で操作することによって、パースを自由に変化できることです。そうすることで、人物の動きに合わせた背景を描くことが可能になる。
つまり「人物ありき」で構図が決まってくるのです。
まぁ、大層なことを書きましたが、これは今課題として意識してやっていることなので、できているかどうかは微妙なところなのですが・・・(汗)是非、今回の作品を読んでみて、みなさんの目で前作との違いを確かめて頂ければと思います。やっぱり読者様の反応が一番の参考になるので。
次回は仕上げ作業に入っていると思うので、完成原稿の一部を公開しつつ、本作品『桜桃(さくらんぼ)』のテーマについて、お話したいと思います。
01.21.01:20
2月10日 ASKA究極のセルフカヴァーベストRELEACE!
なんと!!
ラジオを聴いてたらASKAのニューアルバムが出るとか言ってるし!
急いで調べてみました。
ASKA’s life time best songs
「12」
―収録曲―
01.LOVE SONG
02.風のライオン
03.はじまりはいつも雨
04.WALK
05.PRIDE
06.恋人はワイン色
07.伝わりますか
08.月が近づけば少しはましだろう
09.DO YA DO
10.天気予報の恋人
11.君が愛を語れ
12.お・や・す・み
※「伝わりますか」クラシックギタリスト木村大さんが参加
これはヤバイですね。やばいチョイスです。
ASKAソロの歌はもちろん、CHAGE&ASKAの名曲までアレンジしちゃったわけですか。
うん、楽しみです。前にも、『STAMP』っていうセルフカヴァーをC&Aで出したときがあって、そのときは『SAY YES』『YAH YAH YAH』とかをアレンジしてました。メチャクチャよかった!
特に『WALK』『太陽と埃の中で』はSTAMPバージョンの方が僕は好きでした。
2月10日ですか…。
…買います。
その頃にはこの缶詰状態からも脱出できてると思うし!
それでは今回のアルバムには入っていませんが…先ほど紹介した『太陽と埃の中で』STAMP.verで今日はお別れです。なぜかCHAGE&ASKAの紹介になるとDJ気分の三輪でした。
追い駆けて 追い駆けても
愛して 愛しても 近づくほど 見えない
DAY AND NIGHT TIME
RAIN AND SUNSHINE
I SEEK MY DREAM, EVERYWHERE
01.19.22:32
あれから2年・・・
マンガの制作期間に入ると、
僕は朝起きてすぐに濃いめのコーヒーを入れ、ラジオをかける。
別に聴きたい番組があるわけでもなく、ある程度の雑音の中でも集中力を上がられるっていうあの「カクテルパーティー効果」ってやつ。
締切までギリギリのスケジュールで描いているから、机の横の壁にはお手製のカレンダーがあって、1日1日と×印がつけられている。
1月19日…
ふいにラジオからあの曲が流れてくる。
When you're down and troubled
And you need some loving care
And nothing, nothing is going right
(君が落ち込んでたり悩んでいたり
誰かの助けが必要なとき
何もかもうまくいかなくてどうしようもないとき・・・)
「キャロル・キング&ジェイムス・テイラーが、
4月に来日公演を行うことが決まりました・・・」
ラジオのDJの言葉をよそに、あの頃の僕らが帰ってくる・・・。
―あれから2年が経った。
2008年1月19日 立教大学教育学科主催の音楽祭にて
三輪組の『Thank you 4』を公演した日だ。
卒業旅行にも行かず、ただひたすら…かけがえのない仲間とのかけがえのない日々を噛みしめた2週間。
オープニングの曲は当時サウンドチーフを務めていたうっちーが選曲してくれたCarole King『You’ve got a friend』だった。
曲がフェードインの中、主役の一人、きたしょーが、枯らした喉で台詞を叫ぶ。
「僕は今、たった独りでここに立っています。僕の他に誰もいません。
約束をしたんだ。
3年後の1月19日。
初めて会ったこの場所で、二人の名前が混ざり合ったこの夕方の時間に
また会おうって…。
約束したんだ。」
そんな劇中の約束が、僕らの本気の約束だった。
約束の日まであと1年・・・
みんなは今日という日を、どんな風に生きたんだろう。
仕事に追われ、振り返る暇もなくなると、気付かずに過ぎて行った奴もいたかもしれない。
それとも、当時の冊子や台本を広げた?少し暖かくなった空を見上げた?
それぞれの1月19日が過ぎようとしている。
みんなが隣にいた1月19日。
ひとりぼっちの1月19日。
そんなことを考えながら、すぐにカレンダーに書かれたノルマが僕を現実に戻す。
「やばい、やばい!」
原稿に向き合う僕の背中に、あの曲の続きがやさしく鳴り響いてた。
You just call out my name
And you know wherever I am
I'll come running to see you again
Winter, spring, summer or fall
All you have to do is call
Lord, I'll be there, yes I will
You've got a friend
You've got a friend
ただ僕の名前を呼べばいい
僕がどこにいたって君ならわかるだろう
僕はまた 君に会うために走って行くから
冬 春 夏あるいは秋
ただ君は僕の名前を呼べばいいんだ
そうすれば、きっときっと僕は君のところに行くから
そう、君には友だちがいるんだから
君には友だちがいるんだから